来たる8/26土曜日晴れる屋トーナメントセンターにて統率者戦のイベントKing of Commanderが開催されるようです.http://www.hareruyamtg.com/jp/pages/tournament_tc.aspxしかし,そのルールがにわかルールグルからすると突っ込みどころが多いです.以下,そのルールです.

■ルール以下のルールによって勝敗・順位を決定します。
1.参加者は各自☆を10枚持ってスタートします。
2.各ラウンドで、以下の行動をするごとに相手から1枚☆を奪えます。
・自分のコントロールするカードのダメージや効果で相手を敗北させる
・コマンダーダメージで相手を敗北させる
3.ゲーム終了時に「民主的勝利」(ゲーム中最もそのゲームを盛り上げたプレイヤーへの投票) で自分以外のプレイヤーに1枚☆を与えます。
4.☆がない状態でもゲームには参加できます。その場合敗北しても☆は奪われません。
5.投了した場合、そのプレイヤーはその卓の全員に☆を1枚ずつ与え、その回戦での「民主的勝利」の投票権・被投票権を失います。(☆の枚数が足りない場合、直前のターンのプレイヤー→2ターン前のプレイヤー→…という順に与えます)
投了時に統率者ダメージを受けていた場合、最も統率者ダメージの多かったプレイヤーへ追加で☆を1枚与えます。
6.全4回戦が終了後、所持している☆の数が多い順に順位を決定します。
☆の数が同じプレイヤーがいた場合、該当順位のポイントを合計したものを同順位のプレイヤーで均等に分け合います。
例)4位が3人いた場合、1,500+1,500+3,000pointを3人で分けて1,000pointずつになります。


 ☆が貰えるルールの1つ目が問題です.
・自分のコントロールするカードのダメージや効果で相手を敗北させる

 まずは,重箱の隅からつついていくとしましょう.マジックにおける「カード」については総合ルール108に記されています.

108.2. ルールや文章に「カード」と記されていた場合、マジックのカードか、マジックのカードによって表されているオブジェクトを指す。
108.2a ほとんどのマジックのゲームにおいては、2.5インチ(6.3cm)×3.5インチ(8.8cm)ほどの大きさの、定形のマジックのカードだけを用いる。一部のフォーマットでは、より大きいサイズで裏面の異なる定形外のマジックのカードが含まれる。


これがマジックにおけるカードの定義ですがさらに詳細なカードの定義があります.

108.2c 呪文や能力の文章において、「カード/card」という語は、通常、プレイヤーの手札にあるクリーチャー・カードというように、戦場やスタック以外の領域にあるカードのことを指す。稀に、トークンでないパーマネントやカードのコピーでない呪文を参照するために用いられることがある。


はい,戦場に存在するクリーチャーやスタック上の呪文はカードではないんです.つまり上記のルールをひねくれて解釈すると,
・自分のコントロールする戦場やスタック以外の領域にあるカードのダメージや効果で相手を敗北させる
になります.通常デッキや統率者領域から火力が飛んできて負けることはないですよね.まあ,これは詭弁ですよね.実体がマジックのカードで勝負しろってことですよね.
 では,なぜマジックの総合ルールではこのようなルールが規定されているのしょうか.それはトークンや呪文のコピーはカードではないからです.

108.2b トークンは、カード大のゲーム補助物品によって示されていたとしても、ルールの適用に関してはカードとしては扱わない。


デッキの中や墓地にトークンが混ざることはあり得ないですよね.マジックにはカード以外のオブジェクトも多いのでこういったきちんとしたルーリングが存在するのです.
・自分のコントロールするカードのダメージや効果で相手を敗北させる
トークンや呪文のコピー,紋章など定形のマジックでないオブジェクトが効果で相手を敗北させた場合上記のルール上☆が貰えないのです.

 では後半部分です.
カードのダメージや効果で相手を敗北させる

カードのダメージで相手を敗北させることで☆が貰えるようです.マジックは相手のライフを0にしたら勝ち!当たり前ですね.ルールにも書いてあります.

104.3b プレイヤーのライフ総量が0以下になったら、そのプレイヤーは次に優先権が発生したとき、ゲームに負ける。これは状況起因処理である。rule 704〔状況起因処理〕参照。
104.3d プレイヤーが10個以上の「毒カウンター/poison counter」を得た場合、次に優先権が発生するときにそのプレイヤーは負けとなる。これは状況起因処理である。rule 704〔状況起因処理〕参照。


ダメージを与える代わりに毒カウンターを与えるものもいるらしいですね.ライフが0以下になったり毒カウンターを10個以上得るとルールにより優先権を得るまえに敗北してしまいます.
これは状況起因処理である。

ダメージにより敗北するのではなくルールにより敗北するのです.ん?雲行きが怪しくなってきましたね.こんなの屁理屈だ!ダメージを与えたり毒カウンターを与えたクリーチャーなり原因を作ったんだからそこは普通に考えて敗北させてるだろ!ええ,そういった場合は純粋に考えれば敗北させたと考えるのが妥当です.ではライフが0以下の人の白金の天使を破壊したら?ファイレクシアの非生を破壊したら?ライフ3でのクリプトチェックの揉み消しをカウンターしたら?
 さらに,自分がコントロールするという文言も複雑さを増しています.集団意識で契約をコピーした場合そのコピーのコントローラーは各プレイヤーである上にカードでもありません.エムラクールや精神隷属機で相手プレイヤーをコントロールした場合などはすでに指摘されていることですがあげればキリがないほど突っ込みどころがあるのがこのルールです.問題なく☆を貰えて勝てる方法が特殊勝利系またはフェイジくらいしかなさそうです.個人的には単純に最後に残った人が勝者になり☆が貰えるで問題ないと思うんですけどね.



 ☆オマケ
 ぼかさんhttp://elderojutai.diarynote.jp/201708232250125150/が面白い記事を書いていらしゃったので幸運にもEDHプレイヤーの皆さんと手軽に連絡を取れる環境にいるので数人の方々から3種のドローと独楽の使用状況を聞きまわりました.
 結果としては海外での使用率が高いのは最後の審判の使用率が高いためではないのか?という仮説に至りました.最後の審判のパイルを積んだ後1枚掘り始めるカードが必要になりますが独楽や3種ドローはこの役割に最適です.
 個人的にはブレストはコンボパーツをデッキに戻すためのカードです.また独楽もパラドックス装置コンボなどを採用しない場合あまり採用しません.なぜなら高速環境での1マナは非常に貴重でありなおかつそれが青マナであればなおさらです.これらのことから3種ドローをストームやDoomsdayなどで採用する基準はデッキの圧縮を必要するかということです.いわゆるハイパーガチデッキとガチデッキとの差にはデッキの中に勝ちにつながるカード及びそれと同じ役割またはサーチカードが何枚あるかにより決まるのではないかと考えました.9枚カードを引くとすると10枚デッキの中に欲しいカードとほぼ等価のカードがあれば期待値は1になります.したがって,分子を増やして確率をあげられない場合は引く枚数を増やして確率を引き上げる必要があるのです.7枚しか特定のカードが入れられない場合期待値が1以上になるには13枚以上引かなければいけません.よって,日本の環境において3種ドローの採用が低い理由はキルターンが早いかまたは同じ役割のカードを多く採用しているためだと考えられます.

コメント

mki
2017年8月25日14:48

追記
サイクリング誘発のダメージ効果はカードの状態ですね

そんちょう
2017年8月26日0:08

感染で毒殺、大量のトークンで殴り勝つ、ストームなどで勝つ場合は星が貰えないのか。

偏執狂や忍耐の試練などで勝利した場合は、相対的に3人が敗北したということになって星3つ貰えるのかな?

晴れる屋さんともあろうものがこんなツッコミ要素のあるルール作りを・・・。

mki
2017年8月26日9:53

>>そんちょうさん
ここで上げた解釈はひねくれた屁理屈ですけどもう少し理解しやすいシンプルなルールにしてほしいですね。
mki

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索