ネコぱら比較言語文化論①
ネコぱら比較言語文化論①
 ゆるふわEDHは一つ作ったんですがまだ調整段階なのでまた今度紹介します.

 以前ネコぱらを紹介した際にはスクショは取ってなかったんですがvol. 3から誤訳や名訳と個人的に判断した文章を紹介していきたいと思います.趣旨的にはネタバレは必然的に含む形になります.基本的に時系列順に紹介します.

 一つ目は日本語の慣用句の翻訳です.バニラのぐちセリフになります.

”Honestly, we are busier than cats trying to catch fish from a pond.” 

「正直に言うと,私たちは凍った池から魚を取ろうとする猫達より忙しい.」

日本語の原文は「正直,猫の手も借りたい」です.ネコぱらに散見されるいわゆる猫ネタの一つですね.日本語ではそのあとに「ネコばっかだけどな」と猫ネタを強調します.ネコぱらもvol. 3を迎え主人公の経営するパティスリー La Soleil も軌道にのり大繁盛,お客さんがいっぱい来てうれしい悲鳴を上げているというシーンですね.もちろん英語には猫の手を借りる,”borrow cat’s paws”なんて諺はありません.また,そもそもそれにピッタリ合うような英語でのidiomも私が知る限りないんですね.


「ねこのてもかりたい」
意味
とても忙しいとき、誰でもいいから、手を、かしてくれる人が、欲しいことをたとえる言葉。
解説
忙しくて、忙しくて、どうしようもない時に、実際には、何の役にも立たない、猫の手でも、 いいから、借りて、手伝いをしてほしいということから生まれた句。なぜ猫の手なのかは、不明ですが、 「犬の手も人の手にしたい」という言葉があるようなので、忙しい時、一番身近な動物(ペット)の 手を借りたいという思いつきから、こんな句が生まれたのでは、ないかと考えられます。特に、猫は、 ねずみをよくとる為、働き者というイメージが、あったのかもしれません。
(http://kotowaza.avaloky.com/pv_ani08_05.html)



江戸時代以前から、猫は愛玩動物として可愛がられていた。同じ愛玩動物でも「犬」とは違って、猫はあまり役立たない動物と見られることが多い。「猫ばば」などは、猫が糞をしたあと、後ろ足で砂をかけて隠してしまう習性にちなむ悪事隠蔽(いんぺい)の言葉として使われているし、「猫に小判」という言葉も考えようによっては、猫は賢いものではない譬(たと)えとなる。
 たしかに、犬などに比較すると人間のあまり役に立っていない。犬は番犬の役割を担うし、盲導犬や軍用犬など人間の役に立つ一面も兼ね備えている。だが、そんな役立たない「猫」であっても、その手を借りたいほど忙しいとなれば商売繁盛というわけで、近頃の景気云々のご時世から見ると羨(うらや)ましいということになろう。(http://www.web-nihongo.com/edo/ed_p078/)


 以上二つのサイトから猫の手も借りたいの由来を引いてきましたが猫が働き者か否かは分かれているところが面白いですね.ネコぱらでは猫,ひいてはネコは自由気ままな生き物といわれていますね.日本語には猫が出てくる諺が非常に多いですし,ネコぱらも猫が題材ですし日本文化と猫の間には深い繋がりがあるようです.


(http://en.rocketnews24.com/2014/04/18/10-japanese-expressions-that-sound-delightfully-strange-and-funny-when-translated/)

 こちらは英語の日本の文化紹介まとめサイトのようなものからの引用ですが参考までに.

随分脱線してしましましたが本題に戻りましょう.猫の手を借りたいに対してbusier than cats trying to catch fish from a pond.を当てたわけですがそもそもこのような言い回しが元々英語にあるわけではないようです.Googleで検索してみると海外の猫動画がヒットします.このことから訳者は海外のネットユーザーにはある程度知られているネタであり,想像に難くない猫が氷の上で慌ただしく動いている様を忙しいという意味にあてたのではないかと推測できます.しかし,原文に含まれる嬉しい忙しさというニュアンスは魚を追いかけるということで表現されているのでしょうか.どうも日本語的には鏡花水月というか隔靴掻痒というか手に入らずもどかしい様みたいな説明がつきそうです.いずれにせよこの翻訳がどういった経緯で猫が凍った池で魚取りをするようになったかは気になりますね.あと複数形であるところに一般的な猫という意味がありそうです.

 氷結池猫に続くのが”It’s not that cold.”です.この訳はネコばっかだけどなの意味は完全に失われていると思っていいでしょう.It’s not that cold. それほど寒くはないというのは池が凍るほど寒くはないという意味なんでしょうか.つまり,忙しいけど池が凍るほど寒くない→猫がギリギリ魚を取れる,と解釈すればいいのでしょうか.この訳ははっきり言って意味不明です.訳者がネコ要素をぶち込まれるのに対してヤケクソになってしまったんでしょうか.もしくは寒くないと忙しいに関するsayingなどあってそれとかかっているのでしょうか?知っている方がいたら是非教えてください.

 ちなみに中国語は漢字を見る限り日本語準拠っぽいです.これもわかる方がいたら詳細な再翻訳を教えていただきたいですね.あと,この記事を書いていて気付いたんですが英語と繁体中文にはカンマとピリオドや句読点が適切に打たれているのですが,日本語には文末の句点が省略されていますね.

日本語ではネット上で句読点を打たずに改行などで分を区切る慣習などがあります
これは某匿名掲示板などでは顕著ですね
特に,読点はまれに用いられますが句点は強調する際に使用される以外は基本的に避けられているように感じられます

 しかし,ネコぱらで句点がつけられていない理由はいわゆるネット文化からではなさそうです.

『日本語の使い方』(西田直敏著 創元社 2008年)→p48「句読法と符号」の項に「…ただし「 」や( )の中で文が終わる場合には句点を省略することもある。なお、この場合、公用文や教科書では必ず句点を付けている」とある。(http://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000088455)

一般的に教育の現場では括弧の中の文章にも読点をつけるように指導されている様ですので,私自身も読点を省略するのは伸ばし棒のようにbyte数の節約や見た目で文節がわかればいちいち正しい文法を使う必要のないネット俗文化だと思っていました.しかし,次の2つのwebサイトから出版業界や報道界隈では括弧の最後に。を打たないようなのです.
http://www.goodcross.com/knowledge/words/977-2015
http://suzumi-ya.com/epub/post-801/


カギカッコ内の会話文では、最後に句点を付けない

(例)
「如月のこと…忘れないでね。」

「如月のこと…忘れないでね」

学校教育ではおそらく句点を入れる様式を学ぶと思います。もちろん、どちらも間違いというわけではありませんが、出版業界では句点を付けないのが普通です。

また、カギカッコの内容が他の文の一部であり、最後がそのカギカッコで終わる場合、句点はそのあとに付けます。

(例)
彼女のはじめての言葉は「如月と申します。おそばに置いてくださいね」。


まさにネコぱらの表記は 「如月のこと…忘れないでね」 や 彼女のはじめての言葉は「如月と申します。おそばに置いてくださいね」。 に当てはまりますね.
「ちょっと落ち着け。何言ってるか分からん」
はまさに文末の句点のみ省略されており,途中の句点はきちんと表記されていますね.
 ちなみに私の記事は基本的にカンマとピリオドを用いています.これは理系の業界様式になっているからです.一部、と。が含まれる記事はiPhoneのメモ帳で打ったものをコピペしているからです.

本当は1記事3スクショくらい話そうと思っていたんですけど長くなり過ぎそうなのでここいらでドロンします.
ゆるそうでゆるくないけどちょっとふわっと
ガチ、カジュアル論争

この話題は非常に引火性が高いためEDH危険物第4類に分類され取り扱いに注意する必要がある。EDH危険物取り扱い乙種第4類または丙種を取得済みの方向けの内容になります。ちなみに私は持ってませんしどこで取得できるのかも知りません。もし知っている方がいたら教えて下さい。そうしたら資格を取ってEDHガソリンスタンドでEDHガソリンを給油する仕事をしたいです。


さて、キザクラさん主催のゆるふわEDH向けに私もデッキを組もうと思いました。ゆるふわ警察なる組織が存在し、少しでもガチだと厳しく取り締まられる様なので生半可なゆるふわ度では許されなさそうです。ここで、ケイラメトラデッキは無限コンボはないし(のちにキザクラさんによって剣歯虎+アクローマの記念碑+ティタニアの僧侶などで無限コンボが達成できることを指摘されましたが許してちょ)高額カードもガイアの揺籃の地やマナクリプトくらいなのでカジュアルかなあと思いましたが恐らくそれらを抜いたとしてもゆるふわ警察に逮捕される危険性を感じました。なぜならケイラメトラはサーチの回数が多いですし支配的な盤面を早い段階で作りやすいからです。盤面に大量のパーマネントを並べて置いて「これはすぐ勝てるわけではなくてその過程でして」と、釈明しても「続きは署でお願いいたします。」と言われてゆるふわ留置所へ連行されてしまうでしょう。世の中にはゆるふわ地獄なるものもあるらしいので有罪判決がされればそこへ連れて行かれてしまうのでしょうね。恐ろしい。
では、どんなデッキがゆるふわでカジュアルでガチなのかという疑問が湧いてきます。EDH職人の人たちは肌でこのデッキは強いだとかそのプレイはヌルいと分かっているのでその様な阿吽の呼吸でEDHがプレイされている環境ではガチカジュアル論争は必要ないでしょう。しかし、純粋な好奇心/Curiosityからこれらのワードの定義できないか試みたいと思います。

ガチカジュアル論争は火種が尽きることなくその定義が常に争われています。ガチ、カジュアルを線引きすることを難しいのが問題の本質に思われます。そういっそガチ、カジュアルは分けることができないと割り切ってしまえばいいのです。ガチとカジュアルは連続的で区切りをつけてここからはガチ、ここからはカジュアルとできないものだということです。自閉症スペクトラムからヒントを得たのでこれをガチカジュアルスペクトラムと呼ぶことにします。スペクトラムってなんじゃ?って思われるかもしれませんが私も適当に名付けたのでより最適な単語があれば教えて下さい。添付の画像の虹に例えるとどこからどこまでを何色と呼ぶかは人それぞれによりますよね。ガチとカジュアルも同じように紫からシアンをガチと捉える人もいますし暖色は全部カジュアルと考えている人もいるでしょう。厳密にガチは900nm-800nmの波長ですと定義されていない以上は信号機の青が慣習的に緑と呼ばれるように解釈は様々になります。更にEDHそもそもカジュアルフォーマットであるがゆえに厳密な定義が作られて来ませんでした。今日は546.1nmの波長、誤差は±2nmまででお願いします。なんてオーダーが飛んで来ればもはや気軽に参加するカジュアルフォーマットの意義が崩壊してしまいます。

しかし、何事にも定義を求めたい理系畑の人間なので今回ゆるふわデッキを作るに際して自分なりの基準を考えたので紹介したいと思います。

最も簡単にガチデッキを定義する方法としては勝利ターン数でしょう。いわゆる最もガチな部類のデッキは基本的に3ターン目に勝つことができるデッキです。安定して3、4ターン目に勝てるデッキをガチデッキと呼ぶことに大きな反論は飛んで来ないでしょう。

安定して3、4ターン目に勝てるデッキ以外にもガチデッキと呼ばれるデッキも存在するでしょう。ここからが難しいところです。一般的にキルターン以外にどのような要素があるとガチデッキと呼ばれるのでしょうか。
1. 無限コンボ、即死コンボ
無限コンボの有無はしばしばガチとカジュアルの線引きに使われることがあります。しかし、ガチデッキの中には無限コンボを禁じたとしても十分強いデッキもありますし、デッキに玄武岩のモノリスとブライトハースの指輪を入れたら即ガチデッキとは言えないでしょう。

2. 金額
高額カードが入っているとガチデッキに見えますね。しかし、デッキの中に高額なカードがあるからといって強いデッキとは限りません。例えば、基本土地やfoilカードにこだわりがあれば特に強さと比例せずにデッキはどんどん高額になっていきます。逆に値段が低い方はある程度比例する傾向はあります。ですのでデッキの金額での線引きはある程度有効です。しかし、金額制限によって使いたいfoilが使えなかったりデッキを英語初版で統一するというゲーム外のガチ度まで制限してしまうのは面白みに欠けてしまうことがあります。

そこでガチデッキの定義にちょうど良い目安があったのでその案を採用したいと思います。
http://xchucrow.diarynote.jp/201409252344121118/
勝手にリンクはらさせていただきましたが不都合がありましたら外します。
この目安はまだパーシャルマリガンが存在するころのものですが現在でもいわゆる早いガチデッキはこの基準を10/10とはいかずとも8/10で満たすことができるでしょう。この目安を逆に使いゆるふわを定義できるのではと私は考えました。ゆるふわデッキでは50枚めくってもそのターン中に勝てるかギリギリくらいのものを指すと思います。統計的なデータは取っていないですが個人的な経験と憶測のみによって以下のような基準を設けてみました。
めくったカードの扱いは自由です。マナファクトは盤面に墓地に落ちていてほしいクリーチャーは墓地に。簡易的なテストですので最も勝ちやすいように条件を設定して下さい。相手は基本金魚です。http://archive.mtg-jp.com/reading/translated/008396/
真ガチ: 15枚以下の枚数で妨害が飛んでくることも含めて十分勝てる
ガチ:20枚で勝てる
カジュアル:25-30枚で勝てる
ゆるふわ:30-50枚あれば支配的にはなれるが勝てるかはその場次第
紙束:99枚めくってもそのターンと次のターンに即勝てそうにない

とここまでま色々書いてきましたが飽きてきたのでここまでにします。ゆるふわデッキを作成する作業に戻ります。

尻切れとんぼ
mki

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索